人体標本について|大阪人体模型センター

第7話 人体標本が展示される時代に・・・

ここまでのお話では人体模型についてお話してきましたが、それの究極形が「人体標本」だと思います。
人体模型=人体標本ではありません。
人体標本というのは、実際の人際の死体なのです。

全国各地で、「人体の不思議展」という展示が行われています。そこで「人体標本」が展示されています。
人体を輪切りにスライスにしたものや、他の臓器は取り除き血管網だけを選択的に残したもの、胎児を子宮に入れた状態の妊婦のもの、皮膚を剥がされた筋肉や内臓だけの実物標本がポーズをとっているもの、あるいは動物の死体標本など、従来一般には見られなかったような標本が数多く展示され、人々の関心を集めています。

これらの標本はプラスティネーション技術をもちいて組織液を合成樹脂に置き換えることにより、臓器を腐らない状態でしかも生々しい外見で長期間展示できるようになっているものです。
本物だけに神経や血管のひとつひとつが、よりリアルに表現されています。

まさか実物の死体が展示されるとは、日本の歴史から考えられなかったことだと思います。
どのような献体がこのような標本になったかの経緯は良く分かりませんが、本物だけに人体の神秘を感じると共にこのようなものを展示して良いのかという倫理的な問題もあります。

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